Vol.13 家の売却が正しい選択かを
Vol.13 確認する
これまで、初めて家を買う方向けにノウハウをお伝えしてきましたが、今回からは家の売却をテーマに、そのプロセスや注意点をご紹介していきます。
私は、最初にお客様からご相談を受けた際、「なぜお家を売却されたいのですか?」とおうかがいしています。住み替え、日本への帰国、経済状況など理由はさまざまですが、その目的と事情によっては、売却以外の有効な選択肢もあるからです。色々なオプションを十分に検討して、売却が最適な選択か判断した上で進めることが大切です。
3つの主な例を挙げて考えてみます。
例1:住み替えたい
オプションA:家を売却し、その資金で次の家を購入する
オプションB:家を投資用として維持し、新たに自宅を購入する
→ローン残高と資金計画で判断
住宅ローンを完済していたり、次の物件を現金一括で購入する場合は問題ありませんが、新たにローンを借りる場合は、ローン残高と資金計画に左右されます。ローンの審査では、双方の物件にかかる維持費(ローン支払い額、固定資産税、火災保険、HOA費等)の収入に占める比率がチェックされ、貸家の家賃収入を認めてもらう場合は、物件のエクイティー(その時点の市場価格-ローン残額)が30%以上あることや、署名された賃貸契約書、保証金の入金証明が要求されます。
住み替えたい物件が、手持ちの資金とローンで購入できるかどうかが判断の基準になります。
例2:日本へ帰国する
オプションA:家を売却する
オプションB:家を投資用として保有して将来売却する
→その後何年保有するかで判断
判断のポイントは、今後何年その家を維持するかという点です。現在の税法では、自宅物件の売却において1人名義で25万ドル、夫婦名義で50万ドルまでの売却益(キャピタルゲイン)について税金が控除されます(H.R.3221 Housing and Economic Recovery Act)。ここで言う自宅物件の定義は、「過去5年間のうち2年間以上、自宅として所有していること」とあります。その規定から外れた際の売却益は課税対象となります。もし貸家だった家へ自宅として住み移った場合にも、免除が適応されます。詳しくは会計士にお問い合わせください。
また家を貸す場合、修繕の費用や空家期間の持ち出し分を考慮しておく必要もあります。
このような条件を踏まえて、将来的な計画を立てることが必要です。
例3:手持ちのキャッシュが必要
オプションA:家を売却する
オプションB:リファイナンスする
→物件のエクイティーによって判断
経済的に現在のローン返済が難しい、またビジネスや教育資金が必要、という理由で売却を考えることがあります。こういったケースでは、現在の物件に十分なエクイティーがあれば、リファイナンスやホーム・エクイティーローンで解決できる場合があります。
例えば40万ドルのローンを30年固定7%の金利で返済している場合、リファイナンスで5%の金利へ下げられれば、月々の返済は500ドル以上低くなります。リファイナンスにかかる費用と、どのくらい月々の支払額が変わるか、冷静に計算してください。現状の住宅ローン金利と組み替え後の金利の差が最低1%以上あるかどうかが目安と言われています。
また、ホームエクイティーローンはここ数年で審査規定が大きく変わっていますので、内容を確認してください。
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このように、住み替えや資金作りのためには、ローン審査規定、税法などを冷静に考慮した上で、売却が正しい選択肢なのかを判断することが大切です。