Vol.18 売主のディスクロージャー義務
家を売却する際、売主は家に関して知っていることをすべてディスクローズ(開示)する義務があります。
家の設備機器の現在の不具合はもちろん、既に修繕済の箇所についても開示しなければなりません。契約終了後に売主と買主の間で起こる問題の大半は、売主のディスクロージャー違反と言われています。それを未然に防ぐためにも、知っていることはすべて開示するようにしてください。
ディスクロージャーは、州の不動産協会が定める書類を利用します。
TDS(Transfer Disclosure Statement)
家の設備や周辺環境に関する基本的な情報を3ページの書類に記載します。
付帯設備
キッチンのオーブン、電子レンジ、食器洗浄機など、物件に固定されている設備機器について開示します。冷蔵庫や洗濯機などは対象外です。
また、内外装、水周り、電気系統、窓、家の構造、屋根、冷暖房、車庫やカーポート、ドライブウェイなどの状態、プールの有無、家の躯体(くたい)や基礎に関する事項を記載します。
法的な問題・天災の被害等
法律に違反する(健康障害、環境汚染を引き起こす)物の有無、隣家との共有項目(塀、ドライブウェイ)、未許可の増改築やゾーニング違反、過去の水害・地盤沈下・天災の被害があれば開示します。
周辺環境
近隣の音の問題などを記載します。通りの交通量が多かったり、学校、飛行場、線路など騒音や交通渋滞に影響のある要素はすべて列挙します。物件の価値に対してマイナスになり得る要素です。書きたくないと思うことこそ、必ず書き出すようにしてください。
管理組合関連
コンドミニアムやタウンハウスの場合は、HOA(Home Owner's Association)から通知されている管理費の値上げや特別積立金の徴収、発生している問題や訴訟などがあれば記載してください。
SPQ(Seller's Property Questionnaire)
TDSを補足するためのさらに詳しいディスクロージャーで、以下のような質問項目に答えていく形式の書類です。
・過去3年以内に敷地内で誰かが亡くなったか?
・過去5年以内に損害保険を使って修繕した項目があるか?(火災、水の問題など)
・過去にどういった修繕、リモデル、ペイント等をしたか?
・定期的に発生するメンテナンス等があるか?(例:年に数回、下水管の詰まり除去など)
・現在・過去に、問題だった部分はあるか?(修繕済でも、過去に問題のあった箇所はすべて列挙)
・水漏れやカビが発生したことがあるか?
・現在・過去にペットを飼っていたか?(イヌネコだけでなく、他のペットも記載する方が望ましい)
・ランドスケープやプールにおいて、現在、過去の不具合はあるか? ・コンドミニアムやタウンハウスの管理組合において、訴訟や特別な費用徴収、ルール変更等があるか?
・所有権に関して問題はあるか?
専門業者からのディスクロージャー
売主ではわからないことについては、物件の契約期間中に専門の業者から詳しいレポートを取り寄せ、買主に提示します。これらの費用は通常、売主の負担となります。
NHD(Natural Hazard Disclosure)
自然災害の危険地域であったり、周辺の環境で健康や生活に影響を与える要素の有無、固定資産税の詳細等についての報告書。
Preliminary Title Report
現在の登記の名義や抵当権の状態を示す資料。
HOA Document
管理規約やHOAの会計資料、管理組合理事会の議事録など。
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ディスクロージャーの内容は多岐にわたっており、開示すべきか迷うものもあるかと思いますが、「迷ったら開示する」が鉄則です。売買契約をスムーズに進め、契約後に問題が発生しないためにも、ディスクロージャーは特に大切です。