ファーストバイヤー編

Vol.7 ショートセール物件購入の注意点

ショートセールとは?  
最近「ショートセール」という言葉をよく耳にされるかと思いますが、ここでの「ショート」とは、「短い」ではなく「足りない」という意味です。住宅市場の変動で、その時点でのローン残高が物件の市場価値を上回る、いわゆる「債務超過」を示しています。  
例えば、3年前に50万ドルの物件を45万ドルのローンで購入し、現在の相場が40万ドルに下がってしまったとしましょう。この場合、売却してもローン全額を返済できません。こういったケースの売り物件を「ショートセール」と呼びます。  
ホームオーナーがローンを返済し続ければ問題ないのですが、失業や収入の減少などで返済できなくなった場合、債権者である銀行へ全額返済に満たない金額での売却を認めてもらうお願いを出します。銀行側は、いくらまで損失を受容するかを検討します。この時点で物件の所有者はホームオーナーですが、決定権はすべて債権者の銀行が持ちます。現在こういったケースが多く銀行側の対応が間に合わず、オファーを入れてから返答まで半年以上待たされるのは当たり前という状況です。

ショートセールのプロセス  
ホームオーナー側から見た、ショートセールの大まかな流れは次の通りです。
1:ローン返済が難しくなり、物件の売却を不動産エージェントに相談。エージェントを通じて銀行にショートセールで売却手続きに入ることを通知する。
2:ローン申請とほぼ同じ内容の書類(収入証明、銀行の残高証明など)に加えて、切迫した経済状況を説明した手紙を含むショートセール・パッケージを揃え、オーナーに支払能力がないことを証明する。
3:買主からオファーが入ったら、ショートセール・パッケージと共に銀行へ提出する。
4:銀行は、ホームオーナーが支払不能な状態かの審査と共に、不動産鑑定を行いオファー額の妥当性を検討。低過ぎる金額に対しては、カウンターオファーが送られてくる。
5:契約内容が合意に至り、エスクローに入る。この時点で、契約終了日が指定される。

購入の際の注意点  
ショートセールは時間がかかることをご理解ください。同時に債権者による差押え(Foreclosure)、競売(Trustee's Sale)のプロセスが進んでいます。競売が実行されるとショートセールはできなくなりますので、競売日程の通知が来たら、延期の申請が必要です。  
「物件に複数のローンが付いているか?」「固定資産税(Property Tax)やHOA費の滞納はあるか?」「それ以外の債務が登記されているか?」なども確認してください。債務があればあるほどプロセスは複雑になり、より時間がかかり、また契約終了の難易度も高くなります。  
また、通常の売買では売主負担となるシロアリ修繕やホームワランティーなどの費用は出してくれません。そのままの状態で売却する"As Is"ですので、大きな問題を除き、インスペクションで色々細かい不備が見つかっても修繕には応じてくれません。そういったコストを考慮して納得できる価格であることが大切です。  
通常の購入よりも割安に買える可能性があるのがショートセールの唯一のメリットです。しかし、銀行側も損失を最小限に抑える対応をしてきますので、驚くほどの掘り出し物価格は期待されないでください。

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ショートセールでは、売主側のエージェントとしっかりコミュニケーションを取りながら進めることが何より大切です。また通常よりプロセスが複雑ですので、十分な知識と経験が必要とされます。

Vol.7
セラー編
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