Vol.8 オファーの基礎知識と注意点
物件が見つかればオファー(Purchase Agreement)を作成します。これには、州の不動産協会が認定する書類を使用します。オファーとは物件購入の意志を伝える書類で、売主が受理した時点で、記載内容は契約上の合意事項としての効力が発生します。記載ミスなどのないよう慎重に確認してください。
Purchase Agreementの内容
Purchase Agreementは8ページからなる契約書で、以下のような内容について記載し、買主がサインをしてオファーとして売主へ提出します。
1:購入価格 希望価格を記載します。不動産相場だけでなく、売主の状況、競合買主の有無、購入能力などが、オファー価格に影響を与えます。「この金額で買えないなら諦めがつく」という納得できる価格を決めておくと交渉が進めやすくなります。
2:エスクローの期間 エスクロー期間(契約開始から終了)に、ローンの申請やホームインスペクション、さまざまな書類のレビューなどを行います。売主や自分の都合、ローン貸し出し銀行の手続きに必要な時間などを考慮して、妥当なエスクロー希望期間を提示します。30日、45日、60日が一般的です。
3:資金計画 手付金額(通常は物件価格の2〜3%)、ローン借入額などを記載します。オファーと一緒に、手付金の小切手、頭金を証明する銀行の残高証明、ローンの仮承認(プリ・アプルーバルレター)を提出します。20%の頭金がひとつの目安ですが、それを割ってもローンは組めます。しかし、競合がいる場合は、頭金の大小が明暗を分けることがあるのも事実です。
4:費用負担について 検査やレポート、その他の諸費用について、売主、買主のどちらが何を負担するかを明記します。ホームインスペクションは買主負担で、ターマイト検査・修繕、HOA関連費用、ホームワランティー(住宅設備保証)1年分の負担などは売主負担、エスクロー費は両者で折半するのが一般的です。通例とは異なるケースでも、書面で合意すれば効力を持ちます。
5:ディスクロージャーの義務 売主は、物件のコンディションに関する知りうる問題をすべて開示する法的義務があります。修繕済みの過去の問題も含めて、物件の問題などの事実を隠匿してはなりません。
6:家電や家具など、付帯項目の扱い 洗濯機、乾燥機、冷蔵庫、パティオの家具など、家に固定されていない品目の希望があれば明記します。重要でない物を列挙すると、売主へのアピール度は低下しますのでご注意ください。
7:契約解除の権利 エスクローの開始後、最初の17日間は「コンティンジェンシー期間(contingency period)」と呼ばれ、住宅ローン申請、不動産鑑定、ホームインスペクション、各種ディスクロージャーのレビューを行います。期間中は、売主と再交渉、契約のキャンセルもでき、手付金は戻ってきます。
オファーとカウンターオファー
売主は、オファーに対し(1)そのまま受け入れ、(2)条件付き受け入れ、(3)却下、の返答をします。条件付きの場合はカウンターオファーと呼ばれ、再交渉の項目が提示されます。
オファーの注意点
売主の売却動機は何か、売り急ぐ理由はあるか、などを理解することが重要です。また、競合する買主がいるかどうかもポイントになります。既に、頭金50%でフルプライスのオファーが入っているところへ、10%の頭金で1万ドル低いオファーを入れても話はまとまりません。
売主は敵ではありません。「もし自分が売主なら」という客観性を絶対に忘れずにオファーの内容を考えてください。自分にとって重要でない項目はなるべく相手の意向を反映させるのも大切です。