Q&A 売却編

家を売りに出すとき、“こうでなければいけない”という方法はありません。
そのまま何もせずに市場に出すこともできますし、大掛かりな改装をしてから買い手に物件を見せ始めるケースもあります。

当然のことながら、売りに出す状態は価格や買い手が見付かるまでの期間に大きな影響を与えます。
同じエリアの他の 物件を下見してみるとコンディションや価格設定の良い参考になります。

まず、自分で準備に要する時間と予算を決め、エージェントのアドバイス を参考に費用 対効果の高い項目を優先して進めて行くのが良いでしょう。
修繕に関してですが、特に「水」による問題、(屋根からの雨漏り、キッチン、浴室または water heaterからの水漏れ等)は前もって直しておくことをお勧めします。

それ以外にもご自身で気が付いていることは全てエージェントへ伝えてアドバイスを聞いてください。

ほとんどのセラーさんは早期高値売却を希望します。
それを実現するためには、冷静に下記の要素をエージェントと一緒に相談して、適切な値付けをなさってください。

1. その時点の住宅市場は上がっているか、下がっているか、横ばいか?

2. どのレベルの準備をするか?
(A) そのまま売る。
(B) 不備、不具合を修繕して売る。
(C) ペイントや床など、ある程度の見た目を良くして売る。
(D) 改装してから売る。
(E) ステージング(モデルルームのような飾り付け)をして売る。

3. 売りに出す時期は、春、夏、秋、冬のどれか?

4. 住んだまま売りに出すか、空き家にしてから売りに出すか?

5. いつまでに売却を完了する必要があるか?

競争相手になりうる他の売り物件を見てみると良い参考になります。
自分が買い手になったつもりで客観的に比較してください。

“高く出して様子を見る“という方法は、競争相手の物件をより魅力的に見せる逆効果になることがあります。

オファーは価格だけではありません。
それ以外の要素(頭金額、手付金額、契約期間、費用負担、その他リクエストがあるか)も重要です。

契約開始後、プロセスが頓挫する最大の原因はバイヤーのローンです。
どんなに高い価格を提示してくれても、そのローンに通らなければ何もなりません。

頭金の割合、クレジットスコア、雇用の安定など、ローン担当者とそのバイヤーの契約遂行能力を確認します。
その価格が相場を超えている場合、不動産鑑定が売却価格を認めないこともあります。

価格最優先で契約に入ると、途中で問題が発生してキャンセルになるリスクがありますのでご注意ください。

近年、電子サインのシステムが普及しています。
それにより、インターネットのアクセスがあれば、国外にいても書 類にサインをすることが可能となります。

当然、書類をFEDEXで日本へ送って奥様のサインをいただくこともできます。

売却の場合には“Grant Deed”というnotaryが要求される書類があります。
アメリカ国外ですと、notaryを得るためにアメリカ使大館または領事館へ出向くことになります。
そういった面倒を避ける方法としては、前もって奥様からご主人へ権限委任の“power of attorney”を取っておくことです。
これにより、売買契約に関わる全ての書類作業を合法的にご主人ひとりで済ませることが可能となります。

一旦契約入りしたら、バイヤー側の義務の不履行がない限り、セラー側からバイヤーさんを変えることはできません。

義務の不履行とは、手付金を納めない、約束通りにContingency Removalを行わない、契約終了予定日を過ぎてもバイヤー側の理由で契約が終わらない、などがあります。

また、セラー側から正当に契約をキャンセルする場合、バイヤーへ手付金を返却しなければならないことが多いので、詳しくはエージェントへご確認ください。

セラーさんのdisclosure義務は、その物件に関して知っている問題点は修理が済んでいても買い手に伝えることです。

「知らなかったから言わなかった」という主張ですが、その問題の程度によっては“住んでいたのなら知っているべき事実”として過失責任を問われることもあります。
自分が買い手だったとして、この状態を「セラーが知らなかったから」ということで納得するか?と考えてみてください。

公平な観点から解決策を検討することが一番でしょう。

エスクローを通して売却時にセラーの名義変更を一緒にプロセスできます。
この場合は、亡くなったお母様の死亡証明が必要になります。

エスクローは addendumを発行して、物件名義者のひとりがすでに他界している旨を正式に書面で伝え、買い手と売り手双方から承認のサインをもらいます。

建築許可の有無を確認するのは買い手の責任です。
そのために Contingency期間があります。

あなたのエージェントは確認をせずに無責任なことを伝えたのは明白です。
今後、売却をする上で、建築許可の無い増築部分は物件の価値として考慮されません。

最近の不動産鑑定は厳しくなっていますので、「その部分の建築許可を取得する、もしくは撤去すること」という条件が出る可能性があります。
市の Building Departmentからも当然同様の指示が来ます。

まずは建築業者さんに既存の状態で許可が出そうか見てもらってください。
多少の手直しで済めばいいですが、基準に適合しない建築物ですと、最悪の場合、撤去しなければならない事態もあります。

このように、特に増築の場合、建築許可を得ることは必要不可欠だと理解なさってください。

住宅売却の費用の主な項目は、エスクロー費、タイトル保険、不動産会社への手数料、名義変更に伴うCountyや市への税金、シロアリ検査や修繕費、NHDレポート代、1年分のHome Warrantyなどがあります。

その市によって名義変更の税金がかかる市とかからない市があります。

また、前述の項目の多くは取引価格によって異なります。
あなたのエージェントに売却予定の価格に沿った見積もりを出してもらってください。

過去5年間のうち少なくとも2年間以上その物件を自宅として所有していた場合、夫婦で$500Kまで、独身者で$250Kまでのキャピタル・ゲインへの課税が免除されています。

詳しくは、会計士の方へご確認ください。

Foreign Investment in Real Property Tax Act of 1980 (FIRPTA)のことです。(詳しくは会計士の方へ確認ください)

外国人(アメリカで納税をしていない個人や会社)が不動産の売却や名義変更などを行った場合、評価価格の10%を源泉徴収されることです。
この国による源泉徴収に加えて、州(カリフォルニア州を含む)でも源泉徴収がある場合がありますので、必ず確認されてください。

Internal Revenue Code section 1031(俗に1031エクスチェンジ)に定められた方法で、投資物件から投資物件への買い替えを行うことで、
キャピタル・ゲイン税を繰り越すことが可能となります。

主な内容:売却価格と同等もしくはそれ以上の価格の物件へ買い替える。売却が成立してから45日以内に次の物件を指定する等。
事前に内容をしっかりと理解し、定められた方法に則ってプロセスを進める必要があります。詳しくは会計士の方へ相談されてください。

現在の法案では、その物件を不動産業者を通して売りに出している場合、最低30日間の解約通知。まだ売りに出されていない場合は最低60日間の解約通知となっています。

有効なリース契約がある場合はその期日は尊重されます。法案は変わることがあるので、必ず事前に確認されてください。

ローンを組む際に、融資をする銀行の審査の中でプールが正常に機能する状態であることを確認します。問題がある場合は事前に修繕をされてください。

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