私は、これまでこの二つの違いをよくわかっていなかった。
「得」は、意図的、能動的に手に入れるという意味合いがある。
己を利する物質、地位名誉への欲求が根底にある。
英語では、”Get” に当たるのであろう。
「徳」は、与えることで戻ってくるという意味合い。
他を利することで戻ってくる恩恵、それは人格に備わっていく。
英語では、”Earn” に相当するのであろう。
「トク」と聞くと、ほとんどの人たちは「得」を連想する。私もそうだった。
我々には、”得をしたい、 損はしたくない”、という自己保存の意識が定着している。
だから、物事の判断も「What’s in it for me?(自分にどう利益があるか?)」となる。
私は、”目先の得が、中長期で大きな損” になるケースを体験そして見聞してきた。
損得は表裏一体でセットになっている。得には損が必ずついてくる。
意識を「得」から「徳」の次元へ上げていくことで「損」が切り離され、人生が豊になるのだろう。
昔から ”徳を積む” という言葉があります。
桶の水は、かき集めるのではなく押し出すことで回って自分へ戻ってくる。
得は ”I” で、徳は ”We” ということなんですね。
”Get” したものはいつか失うが、”Earn” したものは失わない。
徳を積むと、自分も周囲の人たちも、みんなでハッピーになる。
それは、失なうことのない真の豊かさ。
「徳」の意識へ少しずつ近づこうと思う。