ロサンゼルス近郊もレストランの店内飲食が部分的に認められ、私が通っていたジムもオープン、そして子供たちの学校も制限付きですが登校もスタートし、ワクチンの順調な普及とも合わせてこの夏にはかなり通常に近い状態になることを願っています。
カリフォルニア州不動産協会が2021年2月のデータを発表しました。
- カリフォルニア州の中間価格は$699,000で前月比0.1%減・前年比20.6%増
- 南カリフォルニアの中間価格は$675,000で前月比3.8%増、前年比16.4%増
- 南カリフォルニアの取引件数は前月比2.7%減、前年比10.5%増
- 30年固定金利の平均値は2.81%(前年同期3.47%)
ご存知の通り、住宅ローン金利は上がる傾向にある中、売り物件数は前月比で半分以下の供給不足が続き、活況な市場を支えています。
私が主にお手伝いをしているSouth Bay, Palos Verdes, Westsideのエリアで$1.5ミリオンくらいまでの優良物件はほぼ複数のバイヤーとの競争になり、価格がせり上がっています。ローンの仮承認を得ていても、頭金が少ないオファーは競争になると非常に厳しい状態です。
FRBのパウエル議長は、17日水曜日に「公定歩合を2023年まで現状据え置く、今年の経済成長は当初の予想を上回る勢いである」という発言をしました。これを受けて、ダウ平均株価は初めて$33,000を超え、インフレ懸念で米国債の利回りは18日木曜日に1.75%を超えました。
この動きは長期金利である住宅ローン金利を引き上げる結果となり、それが継続されると住宅価格上昇にはブレーキがかかると予想されます。
この一週間の南カリフォルニア住宅市場(3月18日現在)
- 新しく売りに出た物件:1,646
- 価格変更(ほとんどは値下げ)した物件:760
- 契約キャンセルで市場へ戻った物件:278
- 契約入りした物件:1,060
- 売却完了した物件:1,453
住宅市場はクラッシュするのか?
現在の住宅価格高騰をリーマンショック前の状態と同等に捉える人がいますが、内情は大きく異なります。
多少の市場調整はあったとしても、クラッシュは起こらないと言われているのは下記のような相違のためです。
ローン貸し出しガイドライン:
サブプライム問題は、返済能力が低い人たちへ少ない頭金でリスクの高いローンの貸付を容易に行ったこと。また変動金利ローンが多く、金利上昇による支払い額の増加へ対応できない人が続出した。
サブプライム後に貸し出しガイドラインが大幅に厳しくなり、銀行にとってリスクが低い貸付を行っている。また近年の超低金利でほとんどのホームオーナーが支払い額を下げるリファイナンスを行い、負担軽減となっている。
物件のエクイティー(純資産):
サブプライムでは、少ない頭金の貸し出し、収入審査が無いもの、元金が増えていくプログラムも横行していたため、価格が下がったとたんに債務超過(ローン残高が住宅価格を上回る)となる物件が多かった。それは差し押さえ(Foreclosure)を引き起こし、住宅市場の大きな下落へつながった。
サブプライム後にガイドラインが厳しいリスクの低い貸付になったこと、そして住宅価値が回復したことで、物件のエクイティーが増大。債務超過の物件はほとんど無く、差し押さえにならず通常に売って売却益を得られる。
コロナの影響:
コロナで職を失った人たちの9割近くが年収$100K未満で、年収$100K以上のホームオーナーへの経済的影響が比較的少ない。
自粛生活を経験し「家」への意識が高まり、住宅需要の増大へつながった。
ロサンゼルス近郊は、気候の素晴らしさ、仕事や生活の利便性など、住宅需要が最も高いエリアのひとつです。
確かに住宅価格は高いですが、それだけ将来的な安定した資産形成が期待できます。
需要が高いエリアは、市場調整があっても下がり幅は最小限で、回復する際には真っ先に上昇しています。
住宅は必ず中長期的視野でお考えになられてください