私は住宅という大きな資産に携わる仕事を20年以上行っている。その経験を通して「資産とは?」について考えさせられることがある。
人生には3つの資産があると言われている。
■ファイナンシャル資産
物質的な資産:銀行口座の預金、株式・債券、車、不動産、芸術品、宝石類など。
■ヒューマン資産
自分を磨いて得る資産:知識、経験、技量、人格など。
■ソーシャル資産
人との繋がりという資産:人間関係や人脈など。
一般的には、ファイナンシャル資産を多く持っている人を資産家と呼ぶ風潮がある。私は自分の仕事を通してファイナンシャル資産を持っている人たちと数多く接してきた。そして「物は豊かなのに、心が貧しい」と感じた人が少なからずいた。
上から目線の言動で対する人たちがいる。傲慢、威嚇、差別…
それで人をコントロールできると勘違いしている。
感謝や共存共栄の欠如は、いずれ自分の足元をさらうことに気付いていない。
目先の損得で言動を変える人たちがいる。
「あっちの方が儲かる、こっちの業者が良いディールをくれる…」
短期的には物質的な「得」をしたように勘違いするのだろう。
利害でなく信頼から生まれる「徳」をわかっていない。
自分磨きでヒューマン資産の会得に努力し、
高い志を持つ人とソーシャル資産を築ける人、
それが、ゆるぎない資産、本当の豊かさへの唯一の道なのだと気付かされた。
私も、転びながら、躓きながら、その道を進んでみようと思う。