
「チャンス」と聞くと、
「絶好の機会」といった意味を思い浮かべる。
物事が好転しそうな可能性にワクワクし、
期待に気持ちが高揚する。
まったく違う「チャンス」の使い方を知った。
自分の希望に反することが起こったとき。
「これは大変だ……」
「こんなはずじゃなかった……」
「ついていない。運が悪い……」
そんな窮地に立たされたときに、こう自問する。
「もし、これがチャンスだとしたら……?」
えっ?窮地が、チャンスだなんて?
自分の希望とは違うことが起こったときに試してみた。
半信半疑。むしろ、大きな違和感を覚えながら、
「もし、これがチャンスだとしたら……?」
当然、すぐには答えなど出てこない。
脳も驚いているのだろう。
そんな問いを素直には受け入れてくれない。
そこで、少し時間をおいて、再度。
次の日になって、また自問する。
3日経って、もう一度。
違和感が薄れるまで、何度も繰り返す。
5回、6回、そして10回……。
すると不思議なことに、
脳がゆっくりと、でも確実に、
「これがチャンスだとしたら、
いったい何のチャンスなのだろう?」
と、可能性を探し始める。
私は、人生の物事の8割くらいは、
希望通りにはいかないものだと実感している。
希望通りにいく2割のときは、誰だってハッピー。
残りの8割。思い通りにならなかったときに、
それをどう受け止め、どう反応するか。
そこに、人生を左右する大きな違いが生まれるように思う。
失敗したとき。
予定が狂ったとき。
期待していた結果が得られなかったとき。
「なぜ、こんなことになったんだ」と考える代わりに、
「もし、これがチャンスだとしたら……?」
と、自分に問いかけてみる。
答えは、すぐに見つからない。
諦めずに問い続けていると、
それまで見えていなかった別の道が、
少しずつ見えてくることがある。
人一倍、失敗の多い私は、
この「逆転の発想」に何度も助けられてきた。
今では、思い通りにならないことが起こると、
少し自分に時間を与えてから、
「もし、これがチャンスだとしたら……?」
一見すると困難に思える出来事の中にこそ、
次の扉を開くチャンスが、
ひっそり隠れていることがある。